症例紹介

【白内障】手術を受けて多焦点レンズを入れたら、メガネいらずの生活と鮮やかな景色が待っていました

calendar_today2024.08.05label##多焦点レンズ#日帰り白内障手術

60代女性の症例解説(院長:松岡俊行)

手術前の状態

物が2重に見えるようになったということで受診された患者様です。初診時、両眼の強度近視を認め、核硬化の進行した白内障を認めました。裸眼視力は(右0.08・左0.08)、矯正視力は(右1.2・左1.2)と日常生活に支障を来すほどではなかったことから、近い将来に白内障の手術が必要になる可能性をお話しし、緑内障と網膜の定期検査を行っておりました。

当初より、白内障手術に前向きで、熱心にお話を聞かれておりました。術後の見え方について、近視の改善のみならず、老眼の改善も希望されましたので、相談の上、手術の際は多焦点眼内レンズを希望されるとの強い意志でした。

初診から3年後、益々見えにくくなったとのことで、手術施行。乱視の矯正も同時に行いました。

術後、裸眼視力は(右1.2・左1.2)、近見視力は(右1.2・左1.2)。

術後3か月、1年が経ち、裸眼視力は(右1.5・左1.2)、近見視力は(右1.2・左1.2)にまで回復。現在、患者さんは裸眼で生活し、老眼鏡も必要なしで近くを見ることができています。

実際に手術を受けた患者さまの感想を以下に記載します。

 

患者様の感想

✔️手術をしたきっかけは?

4年ほど前に、友達から多焦点眼内レンズを入れた話を聞きました。当時の私は白内障手術は年齢の高い方が受けるものだと思っていましたから、まだ若くて白内障がさほど進んでいる訳でも無いのに手術するの?と疑問に思い聞いてみたら「多焦点眼内レンズだから受ける」と言うんです。それで詳しく話を聞き、なるほど、と。

それ以降、眼鏡を必要としなくなった友達のことをずっと羨ましく思っていて、機会があったら私も受けたいと思うようになっていました。

当時、私自身は旅行やスポーツをするときはコンタクトレンズを、日常では眼鏡を遠・遠中・中近距離を使い分けていて、外出の際にはサングラスも含めて3種の眼鏡が手元に無いと不安でした。多焦点眼内レンズを入れればそんな煩わしさから解放されるのではないかという期待もありました。

その後、あるときから自転車や自動車のヘッドライトやパソコン画面を眩しく感じるようになりました。パソコンの使用時も、ブルーライト対応眼鏡とサングラスを重ねて掛けてちょうど良い、といった具合でした。

それで、松岡眼科での定期健診の際に「眩しくて困っている」ことを伝えました。その時初めて、これが白内障の症状の一つであることを知りました。先生に目の中を見て頂くと、年齢相当の進み方をしているとのことでした。白内障のことや眼内レンズには種類があることなどの説明を受けて多焦点レンズの良さを理解し、もともと多焦点レンズに興味があったこともあり、すぐに手術をする気持ちが固まりました。

 

手術の感想は、”思ったほど怖くなかった!”

正直なところ、性格的に緊張するタイプなので、受ける決断をしたものの手術前はとても怖かったです。ですが、湧いてきた色々な質問にも先生が丁寧に答えてくださったので、当日は落ち着いて受けることができました。質問は、手術の方法、眼球に注射をするのか、痛くないか、眼球をメスで切開するのは見えるのか、全身麻酔は使えないのか、洗髪は何日間我慢するのか、スマホやパソコンを見ていいのか、と本当に色々聞きました。

手術が始まると、どこを見ていたら良いのかを、先生がベストポジションを教えてくれます。その眩しい光を見つめていると、影が動いているのが見えました。目を触られている様な感じはありましたが、痛みはありません。手術室への入退室時間が約15分で、執刀時間は約10分だそうです。笑気麻酔を使用したおかげで、ふわふわ、うとうとしているうちに終わっていました。

術後は特に目の痛みも、麻酔による麻痺した感じもありませんでした。眼帯をしてもらい十分休ませて頂いた後、一人で歩いて帰宅しました。

 

見える景色が鮮やかで美しくなった

手術翌日、クリニックで眼帯を外してもらい最初に見た光景は、白い膜が張った様な、すりガラスを通した様な、そんな感じでした。見えにくいと感じながらも視力を測ってもらうと0.9は見えてると言われ驚きました。

多焦点レンズの場合は、新しいレンズの見え方に脳が慣れるまで日数がかかるそうです。慣れるまでは単行本や新聞などの小さな文字や夜道が見えにくかったのですが、先生からのアドバイスもあり、日を追うごとに見えるようになっていき、術後2週間後には片目で1.2に、4週間後には、見えづらかった近くの小さな文字も見えるようになりました。

今では単行本のルビや化粧品の成分表も読めます。お陰さまで術後、眼鏡を使うことが無くなりました。「やっぱり多焦点レンズを入れて良かった」と実感しています。

多焦点レンズの見え方はコンタクトレンズを装着している感じに似ています。30センチの近距離から5m以上先の遠距離まで、スムーズにピントが合います。この先6ヵ月後・1年後には、更により良い見え方になっていくそうなので楽しみです。

また、私はスキーを趣味にしています。車で移動する際、裸眼で運転する日が来るなんて夢のようです。術前は遠距離が見えづらかったので、高速道路に入るとカーナビを頼りにしながらの走行で、とてもストレスに感じていました。でも今は道路標識がよく見えるので、苦手だった高速道路の運転が楽になりました。そして裸眼で見るスキー場の景色は、白と青のコントラストが鮮やかで美しく、眼下に広がる山並みもくっきり見る事ができ感動的でした。

 

ちなみに、手術後に最も大切なことは感染症防止だそうです。抗生物質の飲み薬を1日3回を3日間、3種類の目薬の点眼1日2回から3回、3か月間続けます。シャワーは翌日から、洗顔・洗髪は3日目からOKです。また目に触れないよう保護メガネを1か月間、その内1週間は就寝時も着用します。それ以外は術前と同じ生活をしています。

 

最後に

目の手術は怖いとは思いますが、「メスは見えません」し「痛みはありません」ので安心して受けて頂けます。

白内障の眼内レンズは、選択肢が増えています。私は、多焦点眼内レンズを選んだことで白内障の治療だけでなく近視・乱視・老眼が改善しました。現在は、眼鏡から解放され、自分の目で楽しめる喜びや感動を実感する日々を送っています。

みなさんも松岡先生から納得いく説明を受けた上で、満足できる治療を受けて頂きたいと思います。