眼精疲労はただの疲れ目ではない!?
「眼精疲労」という言葉は、日常生活でもごく普通に使用されています。「疲れ目」と同じような意味で使われていることもありますが、両者には違いがあります。
「疲れ目」は、目の酷使によって一時的に生じる目が疲れた感じです。目を休ませることで症状は治まります。
一方で「眼精疲労」は、休憩をとったり一晩ゆっくり眠ったりしても目の痛み、かすみ、頭痛などの症状が残る状態を指します。
眼精疲労は、目だけでなく全身でさまざまな症状をきたすことから、治療が必要です。もちろん、頻繁に疲れ目になるような生活も良くありません。眼精疲労へと進展したり、視力低下などの他の症状を招く原因になります。
眼精疲労の原因は?
以下のように、さまざまなものが原因となります。
眼の病気
近視・乱視・老眼、ドライアイ、白内障・緑内障、斜視、眼瞼下垂など
身体の病気
風邪、インフルエンザ、生活習慣病、更年期障害、自律神経失調症、虫歯・歯周病、耳鼻科疾患など
環境・習慣
明るすぎる・暗すぎる環境下での作業、姿勢の悪さ、パソコン・スマートフォンの長時間・長期間使用、眼鏡やコンタクトレンズの不適合など
ストレス
慢性疲労、不安、睡眠不足、対人関係の悩みなど
眼精疲労は目と体にも症状が…
- 目のかすみ
- 見えづらさ
- 目の痛み
- 目の充血
- 涙が出る
- 頭痛、肩こり
- 倦怠感、吐き気
- めまい
このように、目だけでなく、身体にも症状が現れるのが疲れ目との違いでもあります。身体の症状の原因が分からず、長くお悩みになっている方も少なくありません。
眼精疲労を治すには?
眼精疲労の治療には、以下のような方法があります。
原因や症状の種類に応じて、治療法を選択します。
点眼薬・内服薬による薬物療法
ピントを合わせる筋肉をリラックスさせたり、目の疲労を軽減する点眼薬を使用します。ドライアイを原因とする場合には、その治療のための点眼薬も使用します。
また、内服薬を併用することもあります。
眼鏡・コンタクトレンズ
屈折異常に対する眼鏡やコンタクトレンズの装用で、眼の負担を軽減します。
眼鏡・コンタクトレンズが合っていないと感じる、長く視力検査をしていないという場合には、眼科で検査を受けましょう。
生活習慣・作業環境の改善
慢性疲労や睡眠不足などが原因となっている場合は、その改善が必要です。
また、パソコン作業時の環境の見直し、スマートフォンの使用を控えるといったことも大切です。
眼精疲労の5つの対策
眼科の受診
目の病気を原因として眼精疲労を起こすこともありますので、必ず眼科を受診し、病気がないことを確認しましょう。
生活習慣・作業環境の改善
慢性疲労や睡眠不足がある場合には、その改善を行います。
パソコン作業時の環境の見直し、スマートフォンの使用を控える、エアコンの風が直接当たらないように気をつける、目を使う作業ではときどき休憩を挟むといったことも有効です。
食事内容の改善
栄養バランスの良い食事を摂りましょう。
特に、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ルテイン、DHA、アントシアニン、タウリン、亜鉛を含む食品は、目の疲れを予防する効果が期待できます。
ストレスの解消
運動であっても、室内で取り組むものでも構いませんので、趣味を見つけてストレスを解消しましょう。
音楽をきいたり、半身浴を楽しんだりといったことでも構いません。
目のまわりを温める
市販されているホットアイマスクなどを使用して目のまわりを温めると、筋肉の緊張が和らぎ、疲労の蓄積を防ぐことができます。