弱視

目と脳の視覚的な経路に問題があるのが弱視

弱視は、目と脳の間の視覚経路が正常に発達しないことによりもたらされる目の病気です。主に幼少期に発症し、早期に適切な治療を行わないと、永続的な視力低下を招く可能性があります。
弱視には4タイプあり、それぞれ異なる原因に基づいており、治療法も状態に応じて異なります。早期診断と治療が視力回復の鍵となります。

不同視弱視(ふどうしじゃくし)

不同視弱視(ふどうしじゃくし)は、一方の目だけが強い近視、遠視、または乱視を持つことで発生する視力の非対称性による弱視です。この差が原因で、脳が弱い目の視覚情報を抑制してしまいます。片眼性の弱視であり、生活に不自由がないため気づかれにくい特徴があります。

原因

主な原因は、生まれつきまたは発達途中での一方の目のみに存在する屈折誤差です。この不均衡が視覚処理に影響を及ぼします。

症状

  • 片眼の視力不良

治療について

適切な眼鏡やコンタクトレンズによる視力の矯正が基本です。場合によっては、強い目を遮蔽し、弱い目を積極的に使うトレーニングが行われます。

屈折性(くっせつせい)弱視

屈折性弱視は、遠視/近視/乱視が両目ともに強いため屈折の異常が起こる病気です。

原因

赤ちゃんはもともと遠視ですが、屈折性弱視は遠視が強すぎることが原因で起こります。

症状

  • 視力の不良

治療

治療用眼鏡のピントがあうようにメガネの処方を行います。また小児の弱視および斜視の治療用として用いる矯正用具(メガネやコンタクトレンズ)は、国および健康保険組合から一部助成されます。

助成対病名

斜視または弱視で、医師が治療用としてメガネが必要と認めた場合

助成対象者
  • 9歳未満
  • 5歳未満は、前回の作成から1年以上経過している
  • 5歳以上は、前回の作成から2年以上経過している

斜視性弱視

斜視性弱視は、両眼の視線が見たい目標に正しく向かわない状態です。片方の目は正しい方向を向いているのに、他の目が内側や外側、あるいは上下に向いている状態なので外観で分かります。

原因

斜視眼では網膜へ綺麗に映像が届かないため、脳で映像を処理する能力が発達しないことから斜視性弱視となります。

症状

  • 視力の不良

治療

斜視の矯正を目指した外科手術や眼鏡の処方、弱い目の使用を促進するためのパッチ療法も一般的です。

形態覚遮断(けいたいかくしゃだん)弱視

形態覚遮断(けいたいかくしゃだん)弱視とは、幼少期から瞼が下がっているような病気などがある場合に、光が目に届かないことからくる弱視です。

原因

先天白内障、眼窩腫瘍、眼瞼腫瘍、角膜混濁、高度の眼瞼下垂、眼帯装用などのために、片方の目を使わない期間があることが原因です。

症状

  • 視力の不良

治療法

原因となる障害物を除去する手術が中心です。手術後は、弱視の改善のためにパッチ療法やトレーニングが行われることもあります。

斜視の症状が見られる”脳動脈瘤”

脳動脈瘤は、脳の血管が局所的に膨らむ病態で、破裂すると命に関わる出血を引き起こすことがあります。動脈瘤が膨らむことで周囲の神経圧迫が生じ、その結果として斜視が発症することがあります。特に動眼神経(第三脳神経)が影響を受けた場合、目の動きが制限され、二重視や視界の歪みが生じる可能性があります。
脳神経外科でMRI検査をすることで診断確定をし、緊急手術になることもあります。

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