手術すべきかは症状の進行具合や生活への影響、健康状態によって判断が変わります。
年代別の解説
50代の場合
- 特徴: 白内障はまだ初期段階のことが多い。
- 手術しない方がいい場合:
• 視力低下が軽度で、日常生活に支障がない場合。
• メガネやコンタクトで視力が補える場合。 - 手術を考えるべき場合:
• 若年性白内障で急速に進行している場合。
• 仕事で視力が重要(運転手、デザイナーなど)な場合。
ポイント: 症状が軽いなら定期検診で様子を見るのが一般的。
60代の場合
- 特徴: 白内障が進行しやすい年代。
- 手術しない方がいい場合:
• 日常生活に大きな支障がない場合。
• 他の健康リスク(心臓病、糖尿病など)で手術リスクが高い場合。 - 手術を考えるべき場合:
• 読書や運転が困難になっている場合。
• 転倒リスクが高まっている場合。
• 他の目の病気(緑内障、網膜疾患)の治療に支障が出る場合。
ポイント: 生活の質(QOL)を重視して判断。
70代以上の場合
- 特徴: 体力や持病の有無が大きな判断材料。
- 手術しない方がいい場合:
• 高齢で全身状態が不安定な場合。
• 寝たきりや介護状態で、視力改善が生活に大きな影響を与えない場合。
• 認知症などで手術後のケアが難しい場合。 - 手術を考えるべき場合:
• 視力低下で転倒リスクが高まっている場合。
• 日常生活での不便さが強い場合(食事、移動、趣味など)。
ポイント: 家族や医師と相談して、本人の希望も尊重することが大切。
白内障手術のメリットとデメリット
✅メリット
- 視力の大幅な改善
- 生活の質向上(読書、運転、趣味の再開)
- 転倒や事故のリスク軽減
⚠️デメリット(リスク)
基礎疾患がある場合の注意点
高血圧や糖尿病などの基礎疾患があると、手術による合併症のリスクが増えることがあります。そのため、まずは全身の治療を優先し、病状を安定させることが重要です。特に糖尿病患者の場合、HbA1cが8.0%以上であれば、術後の感染症リスクや創傷治癒遅延のリスクが高まるため、手術前に血糖コントロールを改善することが推奨されます。HbA1cは8.0%未満を達成し安定すれば、手術を計画することが可能となります。
認知症がある場合、コミュニケーションが困難となり、局所麻酔での手術が難しくなることもあります。一方で、早期に白内障手術を行うことで視覚刺激が増え、認知症の症状が改善することが多いとされています。そのため、やはり早期の手術の方が良いと考えられています。
まとめ
- 視力低下が日常生活に支障をきたしている場合は手術を検討。
- 支障がないなら経過観察でOK。
- 持病や体力、年齢も重要な判断材料。
- 基礎疾患がある場合は全身管理を優先し、病状の安定を確認してから手術を検討。
- 認知症がある場合は、早期手術で認知機能改善の可能性も考慮。
不安な場合は、かかりつけの眼科医と相談し、自分に合った最適な選択をしましょう。