ICLと白内障の手術は同じようなものでしょうか?

ICL(眼内コンタクトレンズ) の手術と 白内障手術 は、どちらも眼内レンズを扱う手術ですが、 目的や手術方法が大きく異なります。
それぞれの違いを 手術の目的・方法・対象となる人・回復期間 などのポイントで比較しながら説明します。

1. 手術の目的の違い

手術名

目的

ICL手術

近視・乱視を矯正するために、目の中に特殊なレンズを入れる手術。 水晶体(本来のレンズ)はそのまま残す

白内障手術 

濁った水晶体を取り除き、 新しい人工レンズに置き換える 手術。視力を回復するために行う。


ICL手術は視力矯正、白内障手術は視力回復が目的 という違いがあります。

2. 手術方法の違い

手術名

手術の流れ

ICL手術

  1. 角膜に 2~3mmの小さな切開 を入れる
  2. その隙間から ICLレンズを挿入 し、水晶体の前に固定
  3. 手術完了(約10~20分)

白内障手術 

  1. 角膜に 2~3mmの小さな切開 を入れる
  2. 濁った水晶体を超音波で砕いて取り除く
  3. 人工レンズ(眼内レンズ)を挿入する ④ 手術完了(約10~30分)


ICLは元の水晶体を残すが、白内障手術は水晶体を取り除いて人工レンズに置き換える という大きな違いがあります。

3. 対象となる人の違い

手術名

対象となる人

ICL手術

  1. レーシックが適応外の強度近視の人
  2. 角膜が薄くてレーシックが受けられない人
  3. メガネやコンタクトを使いたくない人

白内障手術 

  1. 白内障によって視力が低下している人
  2. まぶしさやかすみ、視界のぼやけがある人
  3. 加齢などによって水晶体が濁ってしまった人


ICL手術は主に若年層(20~40代)の視力矯正目的、白内障手術は主に高齢者(50代~)の視力回復目的で行われる という違いがあります。

4. 回復期間・見え方の違い

手術名

回復までの期間

視力の変化

ICL手術

数日~1週間で安定

術後すぐにクリアな視界を実感できる。

白内障手術 

1週間~1カ月で安定

術後すぐにクリアな視界を実感できることが多い。重症の場合は、しばらくは視界がぼやけるが、徐々に回復する。


ICLは術後すぐに視界が良くなるが、白内障手術は少し時間がかかることがある という違いがあります。

5. ICLと白内障手術のメリット・デメリットの比較

手術名

メリット

デメリット

ICL手術 

  • 元の水晶体を残すため、自然な見え方が得られる
  • 強度近視でも矯正可能
  • レーシックと違い取り外し可能(手術前に戻せる)
  • 角膜の切開が必要
  • 眼圧が上がるリスク(※ICLのサイズ調整が必要な場合あり)
  • 老眼年齢が早まる

白内障手術

  • 視力が回復 する
  • 白内障の進行を止められる
  • 多焦点レンズを選べば 老眼も同時に改善 できる
  • 水晶体を取り除くため、元に戻せない
  • 目の状態によっては 視界が安定するまで時間がかかる


ICLは可逆的(取り外し可能)、白内障手術は不可逆的(元に戻せない) という点も大きな違いです。

6. 結論:ICLと白内障手術は全く違う手術!

💡 ICL手術は「視力矯正手術」、白内障手術は「視力回復手術」 です。
💡 白内障手術を受けた後は、ICL手術を受ける必要はありません(人工レンズに置き換わるため)。
💡 ICLを入れた人が将来白内障になった場合は、ICLを取り出してから白内障手術を行います

どちらの手術も、それぞれの目的に合った人にとっては とても有効な治療法 です。
ご自身の目の状態やライフスタイルに合わせて、適した方法を選ぶことが大切です。

ご不明な点があれば、お気軽にご相談ください! 

一番上に戻る
WEB予約WEB予約 診療時間外の電話予約 050-5213-6177診療時間外の電話予約 050-5213-6177 お問い合わせ 06-6387-1113お問い合わせ 06-6387-1113
症状・病名から探す WEB予約 日帰り白内障手術