緑内障の治療はレーザー治療と手術
緑内障とは、目から入ってきた情報を脳へと伝達する「視神経」の異常によって眼圧が上昇し、視野狭窄や視力低下などの症状を引き起こす病気です。
点眼薬や内服薬による薬物療法で十分な効果が得られない場合には、レーザー治療や日帰り手術の適応となります。
江坂まつおか眼科では、レーザー治療においては「選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)」を、手術においては「線維柱帯切開術(トラベクロトミー)」「線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)」といった術式をご用意し、患者様一人一人に合った治療の提供に努めています。
緑内障のレーザー治療
(選択的レーザー線維柱帯形成術)
緑内障に対するレーザー治療(選択的レーザー線維柱帯形成術)は、ほとんど副作用がなく、安全性の高い治療です。
そのため、ご希望であれば初期治療としても受けていただけます。
選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)の仕組み
選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)の対象となる方
- 薬物療法で眼圧のコントロールができない方
- 薬物療法の副作用で困っている方
- 仕事上、点眼が難しい方
- 毎日の点眼が辛い方、忘れてしまう方
- 正常眼圧緑内障だが眼圧を下げる必要がある方
- 妊娠中・授乳中で薬物療法ができない方
上記の項目に一つでも当てはまる方は、一度レーザー治療をご検討ください。
選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)の治療方法
房水(眼の中の水)を排出する「線維柱帯」という網目構造の組織に、低出力のレーザーを照射して活性化・目詰まりを解消することで、排水の機能を取り戻します。房水が正しく排出するようになれば、眼圧が低下します。
レーザーの照射後、一時的に眼圧上昇や炎症が起こることがありますが、いずれも時間の経過と点眼治療によって治まります。
選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)の費用
1割負担 | 約10,000円 |
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2割負担 | 約20,000円 |
3割負担 | 約30,000円 |
緑内障の手術
緑内障の手術方法には、「水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術」・「線維柱帯切開術(トラベクロトミー)」・「線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)」といった手術方法があります。
患者様の目の状態に合わせた術式を選択します。
水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術
iStent®(アイステント)という器具を用いて、白内障手術(水晶体再建術)と同時に行う、眼圧を下げる緑内障の手術です。
iStent®は医療用チタンでできた、長さ360μmの非常に小さなインプラントです。これを眼の中の線維柱帯に埋め込むことで、眼内の液体の排出を促し、眼圧を下げます。
白内障手術(水晶体再建術)と同時に行うことで、健康保険が適用されます。つまり、治療が必要な白内障であることが保険適用のためには必須の条件となります。
房水の流れのイメージ
水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術のメリット
- 白内障手術と同時に行え、その場合は保険が適用される
- 手術の傷口が小さく、回復が早い
- 手術時間が短い(10~15分ほど)
- 緑内障治療用の点眼薬の種類を減らせることが期待できる
水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術の費用(※白内障と同時手術)
1割負担 | 約28,000円 |
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2割負担 | 約56,000円 |
3割負担 | 約84,000円 |
線維柱帯切開術 トラベクロトミー
房水を排出する「線維柱帯」を切開することで、目詰まりを解消して排水の機能を取り戻し、眼圧を下げる手術です。
線維柱帯切除術 トラベクレクトミー
「線維柱帯」を部分的に切除し、房水の出口を別に作ることで排水の機能を取り戻し、眼圧を下げる手術です。
白内障・緑内障の同時手術も可能
白内障・緑内障の両方がある場合、当院ではその同時手術にも対応しております。
同時に手術を行うことでそれぞれの手術の質が変わるということはありません。緑内障の手術後に白内障が進行するケースがありますので、適応となるならば、積極的におすすめしたい選択です。また、同時手術によって、眼圧も下がりやすくなると言われています。
患者様のご負担も軽くなりますので、安心してご相談ください。
緑内障治療Q&A
手術に痛みはありますか?手術時間はどれくらいでしょうか?
麻酔をかけた上で行う手術ですので、痛みはほとんど感じません。
ご希望に応じて、笑気麻酔を併用することもできます。より痛みを感じにくく、また不安や恐怖感なく手術を受けていただけます。
手術時間は、おおよそ30分ほどです。
手術を受ければ、眼圧は必ず下がるのでしょうか?
100%ではありませんが、ほとんどのケースにおいて眼圧を下げることができます。
加えて、緑内障の点眼薬が不要になったり、量を減らしたりといったことも期待できます。
手術を受けて、将来的に再手術が
必要になることはありますか?
将来的に眼圧が再度上昇した場合などは、再手術が必要になることがあります。ただし、手術を躊躇っているあいだにも緑内障は進行してしまいます。また、一度消失した視神経が元に戻ることもありません。
薬物療法・レーザー治療・手術のいずれを選択するにしても、早期の治療が望まれます。