閃輝暗点は、脳の血流障害で起こる視覚異常です。一時的に視野障害が発生します。
突然、稲妻のようなギザギザの光の波が現れ、だんだん広がり視界がおかしくなり、はっきり見えなくなります。症状の範囲が波のように動く特徴があります。
症状は10 ～ 20 分程度で治まります。確認する方法は、片目を覆って、視覚異常を確認してください。左右で同じ場合、閃輝暗点の可能性が高いです。
眼の異常ではなく、脳血流異常により起こるため、同じ視野障害が出ます。

閃輝暗点の後、片頭痛が起こる方がいます。閃輝暗点自体は無害で一過性ですが、片頭痛の発作が始まる兆候として現れることが多いため、発生時には適切な予防措置や対処が必要です。

閃輝暗点は、セロトニンが多量に放出されると血管が収縮し、脳血流量が低下することにより起きます。
そのため、脳の視覚情報を処理する部分の活動が低下します。「大脳皮質拡延性抑制」と呼ばれる現象で、神経細胞の活動に異常をきたし、一時的な視覚障害が引き起こされます。

残念ながら、閃輝暗点そのものを治療する薬はなく、片頭痛の予防薬として塩酸ロメリジン、片頭痛時に頓服で服用するイミグランなどがあります。

閃輝暗点は一時的に血の流れが変化することが原因で起こると考えられているため、低血糖や寝不足、ストレス、睡眠不足、喫煙、カフェインの接種、チョコレートやナッツ類の食べ過ぎなど生活習慣の改善がポイントです。

頭痛を伴わない閃輝暗点は、脳梗塞や脳腫瘍といった重篤な疾患の可能性があります。頻繁に閃輝暗点が起こる、症状で生活に支障が出ている、閃輝暗点の後に頭痛が無い場合は、医療機関にご相談ください。