
どんな治療法があるのかな?
「メガネに頼ると、余計に目が悪くなるから、子どもは裸眼がよい」なんて聞いたことはありませんか?
実は、それは大きな間違いです。近視なのに裸眼で生活していると、ますます近視がひどくなります。0.3未満にも関わらず、メガネをかけていない子どもが20人に1人の割合でいることもわかっています。
“過矯正”といわれる、見えすぎるメガネをつけると、余計に目が悪くなる可能性があります。メガネをかけると2.0まで見えて、「よく見えるようになったね!」と喜ぶかもしれませんが、見えすぎは目に毒です。
正しい度数のメガネをかけることがポイントです。
視能訓練士さんがいる眼科 or メガネ屋さんで、きちんと度数を合わせることがポイントです。
一度近視を発症すると、17才ころまで進行します。また、低年齢で発症すればするほど、進行量が大きくなる特徴があります。
近視→強度近視→病的近視と進行しますので、なるべく早い段階から、進行を止めることがとても重要です。

視力の矯正には、メガネやコンタクトレンズといった対処法もありますが、オルソケラトロジーという、コンタクトレンズもあります。角膜を矯正することで治療する方法です。
レーシックのような手術をせずに、特殊なコンタクトレンズを装着するだけで、起床後は視力が1.0〜1.2ほどでますので、裸眼過ごせます。
近視の目は屈折がずれ、ピントがあっていない状態です。ウエストを細く保つ、コルセットのような矯正器具だと考えてください。
オルソケラトロジーで屈折が正常になるように、コンタクトによって一晩中角膜(黒目)に圧力をかけて形状を矯正します。

よくコンタクトレンズを就寝中につけっぱなしにすると、目が酸素不足になって大変だよ!という話を聞くことがありますよね。
オルソケラトロジーのコンタクトレンズは酸素透過性が高いため、寝ている間に装着しても問題ありません。
オルソケラトロジーはコンタクトレンズなので、自分で装着できる必要があります。
自分で装着ができる、だいたい小学校に上がる前くらい、幼稚園や保育園の年長さんくらいからオルソケラトロジーをしている子もたくさんいます。
眼軸の伸長を抑える効果がある、アトロピンという成分があるのですが、これは瞳孔が開いたままになる副作用があるため、なかなか使いづらいものでした。
新しくマイオピンという目薬ができて、これはアトロピンの濃度が0.01%や0.025%と非常に薄くなっています。
マイオピンは副作用が極めて少なく、安全性の高い目薬です。
シンガポールの国立眼科センターで潤沢な予算のもと研究が進められ、低濃度でも近視の進行を抑制することが証明されています。
効果を得るには2年以上の継続使用が望ましいとされています。とはいえ、就寝前に一滴を点眼すれば良いだけですので、ほとんど負担はありません。
残念ながら、保健適用外ですが、1ヶ月数千円程度でそこまで高額ではありません。
マイオピンとオルソケラトロジーの二本立てで近視に対抗するのが最も効果的です。